みなさん、こんにちは!税理士法人タクトの職員 蘇力徳です。
最近全国的に厳しい暑さが続いておりますので、みなさんが水分補給などの暑さ対策をしっかり行い、体調管理には十分に気をつけていただけたらと思います。
早速ですが、前回のコラムは「個人事業主の開業手続きについて(税理士法人タクト 監査担当者・鈴木美耶)」をお送りいたしましたが、今回はなぜ開業する時に青色申告承認申請書を提出して青色申告をした方が良いのかを解説していきます。それは青色申告をお勧めするのは主に以下の6つの特典があるからです。
■ 最大65万円の特別控除が受けられる!
まずは、白色申告に対して青色申告では特別控除が受けられるという大きなメリットがあります。所得の種類によって受けられる特別控除の金額が変わります。青色申告をすることができる人は、不動産所得、事業所得、山林所得のある人ですが、それぞれ受けられる特別控除額は以下となります。
事業所得 最大65万円
不動産所得(アパート10室以上または貸家5棟以上、事業規模である場合)最大65万円
不動産所得(事業規模でない場合) 最大10万円
山林所得 最大10万円
■ 専従者給与を経費にできる!
次に、青色申告では生計を一にしている配偶者やその年の年末で15歳以上の親族に支払った専従者給与を必要経費に算入することができます。専従者は1年の半分以上を、青色申告者の事業に専従している人を言います。もちろん仕事内容や他の従業員の給与水準など鑑みて、適切な金額にする必要がありますが、大きな節税ポイントであることは言うまでもありません。
ただし、事前に「青色専従者給与に関する届出書」を提出し、支払う給与の上限額を記載する必要があるのと、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれないので、ご注意ください。
■ 貸倒引当金を設定できる!
事業を行う際、売掛金や貸付金などが発生することがあります。貸倒れによる損失の見込額として5.5%以下(金融業の場合は 3.3%)の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れて必要経費として認められ、節税に繋がります。
■ 赤字を繰り越しできる!
誰でも毎年儲かるとは限りません。万が一その年に純損失が生じた場合、青色申告を行っていると、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、翌年以降の所得金額から控除できます。
■ 30万円未満の固定資産が全額経費になる!
白色申告では価格が10万円以上の固定資産を購入した場合が法定耐用年数にしたがって減価償却を行いますが、青色申告では10万円以上30万円未満で取得した固定資産を一括で経費に計上できる(年間で合計300万円まで)という減価償却の特例が受けられます。
■ 自宅が事務所兼用という場合は家賃や電気代なども按分で経費にできる!
個人事業者の方は自宅をオフィスにする場合が多々あります。白色申告では業務で半分以上使っていなければ経費に計上できませんが、青色申告では明らかに事業で使っていれば、光熱費など家事関連費を使用時間、使用床面積などを基に合理的に按分して経費に計上できます。
以上盛り沢山の青色申告の特典をご紹介しました。では、青色申告をするにはどうすれば良いでしょうか?
■ 事前の申請が必要
まず、青色申告を利用するためには「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。原則その年の3月15日までに納税地の所轄税務署長に提出することとなりますが、その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合は業務を開始した日から2か月以内に提出すれば青色申告が利用できるようになります。
■ 「複式簿記」を行うこと
帳簿の記帳には「単式簿記」と「複式簿記」がありますが、青色申告の特典を受けるためには「単式簿記」ではなく「複式簿記」で記帳しなければいけません。
■ 申告期限内(その年の3月15日)に必要な書類を提出
青色申告を利用するためには、「確定申告書」の他に「青色申告決算書」(主には「貸借対照表」と「損益計算書」)など必要書類を提出しなければなりません。
■ e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う
最大65万円の特別控除を受けるには、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う必要があります(e-Taxによる申告または電子帳簿保存を行っていない場合は、特別控除額が55万円となります)。
いかがでしょうか?「青色申告の特典を受けたいが、準備事項が多すぎる」あるいは「複式簿記や電子帳簿などまったく分からない」という方がいらっしゃると思います。
税理士法人タクトでは、お客様が青色申告の最大のメリットを享受するため、必要な書類の提出はもちろん、簿記知識がない方でも丁寧に記帳指導を行い、常に最新の情報をご提供いたします。初めてお越しいただく方は1時間無料面談ができますので、今後ご開業を考えている方は、ぜひお気軽に税理士法人タクトまでお問い合わせください。