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令和3年分 年末調整について(税理士法人タクト 監査担当・鈴木直登)

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コラム

2021/12/02

令和3年分 年末調整について(税理士法人タクト 監査担当・鈴木直登)



 皆様こんにちは!
 
 税理士法人タクトの監査担当・鈴木直登です。今年も寒くなってきており、また年末調整の時期がやって来ました。本日は令和3年分の年末調整に関する税制改正と新型コロナウイルス感染症の影響について説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。



【税制改正について】

 年末調整に関係する令和3年度の税制改正は1点あります。税務関係書類における押印義務の見直し(適用:R3.4.1以後)についてです。R3.4.1以後、税務関係書類における押印義務が廃止されたことから年末調整関係書類からも「㊞」の文字が削除されています。また、住宅ローン控除の特例の期限延長・要件緩和がされましたが、住宅ローン控除の適用を受ける場合、初年度は確定申告で受けるため今回の年末調整には影響ありません。



【新型コロナウイルス感染症の影響について】

  新型コロナウイルス感染症に関連して企業が負担した費用が給与として課税するか否かは次の通りです。

・ワクチンの職域接種
 接種に要する費用、会場準備費用は給与として課税する必要はありません。なお、接種会場への交通費の精算も相当額であれば非課税となります。


 ・デジタルワクチン接種証明書の取得費用
 業務遂行上、取得が必要であると認められる場合は給与として課税する必要はありません。

 ・テレワーク時に支給された金銭等
 給与に該当しないもの → テレワークに通常必要な費用の精算又は事務用品等の貸与
 給与に該当するもの  → 在宅勤務手当又は事務用品等の支給 (現物給与)

 ・PCR検査費用
 企業の業務命令により受検したPCR検査費用の精算額であれば給与として課税する必要はありません。

 ・感染が疑われる場合のホテルの利用料等
 勤務に係る通常必要な利用料、交通費などの業務のために通常な費用で、以下のいずれかの方法による支給は給与として課税する必要はありません。
 ⇒ 費用を精算する方法
 ⇒ 企業の旅費規程等に基づいて支給する方法
 ※なお、従業員が自己の判断によりホテル等に宿泊した場合は給与として課税対象となります。

・従業員に対して事業者から支給された見舞金
 以下の3つの条件をすべて満たすものは非課税所得に該当します。
 ⇒ 心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの
 ⇒ 社会通念上相当な額
 ⇒ 役務の対価でないこと



【最後に】

 令和3年度は年末調整に関連した税制改正が少なかったですが、新型コロナウイルス感染症に関連した給与所得か否かの判断に注意しなければなりません。ご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽に監査担当にご相談ください。


 また、去年から追加された「基・配・所」の書き方について、わかりやすく説明した記事がありますので、こちらの記事もおすすめします。

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