インターネットで、不動産登記や商業・法人登記ができることをご存じでしょうか。
登記をオンライン上で行える『登記ねっと』は、正式名称を『登記・供託オンライン申請システム』といい、多くの市民が利用しています。
このシステムは、法務局に足を運ばなくても、登記事項証明書や印鑑証明書などの交付請求が可能になるものです。
今回は、登記ねっとの基礎知識や手続きについて紹介します。
登記ねっとの対象手続きと利用のメリット
不動産や法人に関する登記というと、指定された書類を用意して、法務局に足を運ばなければならないというイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし近年は、どこにいてもインターネットを介したオンライン登記が便利に行えるシステム、登記ねっとが存在しています。
登記ねっとで手続きができる申請や請求の対象は、以下の項目です。
●不動産登記手続
●商業・法人登記手続
●動産譲渡登記手続
●債権譲渡登記手続
●成年後見登記手続
●電子公証手続
●電子証明書関係手続
登記ねっとによる手続きのメリットは、コスト削減できることでもあります。
たとえば、不動産登記の登記事項証明書や、商業・法人登記の印鑑証明書など、各種証明書の交付請求を行う場合、法務局の窓口で請求した場合は、それぞれ通常通りの手数料がかかります。
一方で、登記ねっとで請求を行い、郵送で証明書を受け取る場合の手数料は、より割安な料金になるケースも多くあります。
また、登記ねっとを利用した場合、手数料はインターネットバンキングやPay-easyに対応したATMなどを利用するので、収入印紙を用意する必要がありません。
また、仕事の都合などで窓口の対応時間に間に合わない方も、オンライン申請であれば手続きがしやすくなります。
特に、定期的に証明書が必要な業種であれば、登記ねっとを活用するとよいでしょう。
登記ねっとの利用可能時間は平日の月曜日から金曜日、8時30分から21時までです。
国民の祝日と休日、12月29日から1月3日までの年末年始は休止となります。
そのほか、メンテナンスなどで予告なく休止・中断することもありますので、余裕のあるスケジュールで利用するとよいでしょう。
登記ねっとにはブラウザ版とソフト版がある
登記ねっとを使った申請方法は、Webブラウザを使う『かんたん証明書請求』と、専用アプリをパソコンにインストールする『申請用総合ソフト』の2種類があります。
かんたん証明書請求は、通常使用しているWebブラウザからWebページにアクセスし、必要項目を入力するだけで利用できます。
ただし、利用できるのは証明書の交付請求など、一部の手続きに限られています。
一方、申請用総合ソフトでは、登記ねっとで扱う全ての手続きを利用できます。
申請用総合ソフトは、登記ねっとのWebページでダウンロードすることができます。
インストールできるOSはWindowsに限られているため、注意が必要です。
さまざまな登記手続きが行えるほか、申請書作成や電子署名の付与、送信、電子公文書の取得、データ管理なども行うことができます。
登記ねっとのホームページでは、操作方法や機能についてまとめた操作手引書も公開しているので、参考にするとよいでしょう。
体験版も公開されており、一度試してみることもできます。
また、登記ねっとは、民間事業者提供のソフトウェアとの連携が可能です。
民間事業者のソフトウェアで作成した申請データを申請用総合ソフトに取り込んだり、ほかのソフトウェアで登記ねっととデータ連携を行うこともできます。
コスト削減にもなり、時間も手間も省ける登記ねっとは、申請や請求を定期的に行う事業者ならばぜひ活用したいところです。
手続きの申請漏れも防ぎやすいので、ぜひ活用してみてはいかがでしょう。
※本記事の記載内容は、2022年5月現在の法令・情報等に基づいています。